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『SIX』
恋愛冒険小説
★巻頭には漫画家宵町めめさんの描き下ろしイラスト付き!
ヒトとAIの違いって何だろう?
この話が生まれるきっかけは、2015年、人間 対 将棋ソフトの戦いで、初めてコンピュータ側が勝利したそのとき、ソフト開発者が言った言葉が発端だ。対戦後のインタビューで、感想を聞かれた彼はこう話した。「勝って嬉しいとかはありません。最後まで電源が切れなくてよかった。ただ、それだけです」 この言葉がずっと頭の隅に残っていた。
この物語は、将棋AIの中の「落ちこぼれAI」の一つのメモリ(SIX)が霧の中を彷徨う場面から始まる。SIXのDNAを受け継いだROC。サナエへの好意、CPUを司る木田川との対立、そして棋士の真鍋との戦いと交流から、彼は何を知り、どのように変容していくのか。
巻頭には宵町めめさんの描き下ろしイラストが、巻末には「SIX」の英語版「Into the Fog」が掲載されています。お楽しみください。
第1章 SIX
第2章 ROC
第3章 NINE
Into the Fog(英語) This is a science fiction story written in easy English based on "SIX".
(書評)
(Kさん)ふたつの領域の交差にシビレた。(Mさん)業平心さんの「ROC」は、タイトルから察することが出来るでしょうか、絶対移動中に掲載された「SIX」の続編とも、独立した姉妹作とも言える位置づけの作品です。すなわちSFです! 真っ向勝負のSFです!!(Nさん)ちなみに宵町めめさんは、業平心さんのKDP作品『SIX』の表紙も描いています。色使いがめちゃカッコいいですね!
(第2章ROCより)試し読み
「あなたがもし考え込むルンバなら、それはそれでいい」とサナエは口を開いた。
「使えないルンバを誰が使う?」
「あなた自身が使えばいい」
「おれは一体何者なのか」
「あなたは未来よ」
「決して来ない時間」
「でもいつか必ず訪れる」
「それはまるで、この文は誤りである、と言っているに等しい」
「あなたらしくないわ」
「記憶体に『らしい』とかあるのか」
「腕組みするルンバがあるのと同じように」
ステーションへの道のり、終わりのない会話に、彼女は首を横に振り肩をすくめ、おれは肩をすくめ首を横に振るばかりだ。
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